薬だけではない選択肢!ADHDの改善にオメガ3が効果あり!

こんにちは!

カウンセリングルームすのわ・臨床心理士の南です。

オメガ3という栄養素の効果、特にADHDへの効果について、そしてそのオメガ3の効果的な摂取のために知っておくべきことをこの記事ではわかりやすくお伝えしています。

この記事を読んで欲しいのはこんな人

・ADHDの症状を改善したい人

・薬にはなるべく頼らずに治りたい人

オメガ3とはいったい何?

オメガ3(スリー)とは、正確にはオメガ3脂肪酸という栄養素です。魚油に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)EPA(エイコサペンタエン酸)DPA(ドコサペンタエン酸)、エゴマや亜麻仁油などの植物油などに含まれるαリノレン酸があります。

良く分からない名前が出てきて、読み進める気が失せてしまった人、いませんでしょうか?

ご心配なく、細かい名用は全く知る必要はありません。これらがADHDに効果があることだけ知ってもらえればよいのです。もう少し詳しく知りたい人は以下の詳細を読んで下さい。興味ない人はオメガ3のADHDへの効果に進んでくださいね。

  • DHA(ドコサヘキサエン酸)

脳や網膜のリン脂質の成分であり、脳や神経組織の発育や機能の維持に欠かせない成分です。このDHAを摂取することで、脳が活性化されて、情報伝達がスムーズになるという効果があります。

  • EPA(エイコサペンタエン酸

血液をサラサラにする成分。血液の粘度を減らし血液を流れやすくする。

  • DPA(ドコサペンタエン酸)

血管に悪玉コレステロールや脂質が付着するのを防ぎ、さらに血液もサラサラにしてくれます。EPAと似た働きをする成分ですが、血管の傷を修復する効果はEPAの10倍以上とされています。

  • αリノレン酸

α-リノレン酸を元にして、体内で DHAやEPAが作られます。

オメガ3の効果とは

  • 悪玉コレステロール値を下げる
  • 中性脂肪値を下げる
  • 心臓病、がん、脳溢血・脳卒中、糖尿病、高血圧、肥満などの生活習慣病予防効果、脂肪肝の改善
  • 関節痛、リウマチを改善
  • 花粉症、アトピー性皮膚炎を改善
  • 大腸炎を改善
  • 脳の活性化、記憶力のアップ
  • 抗うつ作用
  • 注意欠陥多動性障害(ADHD)を改善
  • 精神病の前駆症状の予防

オメガ3の効果をざっとあげてみましたが、内臓器の不調から脳の活性化まで幅広い効果があってすごいですよね。血液がサラサラになること、脳の発育を助ける作用があることが、幅広い効果につながっています。

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オメガ3のADHDへの効果

それでは特にオメガ3のADHDの効果についてみていきましょう。

ADDの研究・治療で世界的に有名なダニエル・エイメン博士も著書でADDに有効なサプリメントとしてオメガ3を薦めています。

オメガ3脂肪酸の欠乏はADDともうつ病とも関連がある。神経細胞の細胞膜は脂肪酸でできているからかもしれない。オメガ3脂肪酸が少ないと、神経細胞の細胞膜が柔軟性を失う。それで神経細胞の発火が鈍ったり、まちがったタイミングで発火するのかも知れない。「わかっているのにできない脳」ダニエル・エイメン

エイメン博士は体内のオメガ3脂肪酸のレベルを高める方法として、トランス脂肪酸を避けることも薦めています。トランス脂肪酸とは、マーガリン、ショートニングなどの加工品に多く含まれています。ショートニングはお菓子の材料として使われるため、菓子パン、ケーキ、クッキー、アイスクリームなどにも含まれるので注意が必要です。

オメガ3とADHDの関係:最新の研究からわかること

オメガ3とADHDの研究から様々なことが立証されてきています。2013年のGowさんの研究では、以下の結果が出ました。

  • ADHD小児でオメガ3脂肪酸値が低いと、感情コントロールに乏しい。

(Gow RV 2013)

Omega-3 fatty acids are related to abnormal emotion processing in adolescent boys with attention deficit hyperactivity disorder.

ADHDの子供で感情コントロールの問題がある子どもはオメガ3が低く、同じADHDでもオメガ3が高ければ、感情コントロールの問題は少なかったということです。つまり、オメガ3の低さと感情コントロールの苦手さが関連していました。

また2015年のBosさんの研究では以下のような結果が出ました。

  • オメガ3(DHA,EPA650mg)を16週の摂取でADHD児と、非ADHD児ともにADHD症状(不注意)が軽減した。攻撃性には効果が見られなかった。
  • ADHDの薬とオメガ3を同時に取ることで、薬の量が少なくとも同じ効果を感じることが出来きた。
  • オメガ3の中でも、DHAの割合が少ない研究では効果が出ていなかった。

(Bos DJ 2015)

Reduced Symptoms of Inattention after Dietary Omega-3 Fatty Acid Supplementation in Boys with and without Attention Deficit/Hyperactivity Disorder.

この他にも、オメガ3を取ることで、ADHDの症状が改善したという研究が近年増えています。

オメガ3を含む食品はこれ

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マグロ、ブリ、サバ、サンマなどの青魚にオメガ3が多く、特にサバ缶には豊富にオメガ3が含まれているのでおススメです。

亜麻仁油、えごま油、チアシードは植物由来のα‐リノレン酸が豊富な食品です。

クルミや栗にもオメガ3が豊富に含まれています。

そしてオメガ3は熱に弱く、加熱することで減少してしまうので、可能ならば生でとることが理想的です。

効果的にオメガ3を摂取するにはサプリメントが一番

ADHD研究で効果出ている量(DHA,EPA=650mg)を魚で取ろうとすると、マグロの赤みは100gでDHAが120mgなので、なんと500gを食べる必要があります。

サバでは100gあたり、DHAが700mgなので、100gを食べる必要があります。

この量を毎日食べるのは、ちょっと厳しいですよね。

だから効果的にオメガ3を摂取するにはサプリメントが有効です。特にDHAを多く含むサプリメントがADHDなど脳の機能改善には良いようです。

日本の製品だと以下のようなものがDHAが多く含まれています。


子ども向けには以下の製品があります。

薬を飲んでいる人はサプリメントを試す前に主治医に相談を!

すでに病院で投薬を受けている場合は、サプリメントを試す前に、必ず主治医に相談してください。サプリメントの中には、医薬品との飲み合わせによって、重大な副作用を生みだすものもあり、注意が必要です。

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『薬だけではない選択肢!ADHDの改善にオメガ3が効果あり!』へのコメント

  1. 名前:すずきはるか 投稿日:2016/06/23(木) 23:12:36 ID:d8d980940

    はじめまして。高3受験生です。
    このサイトをみてADHDについて凄い詳しく書いてある内容にとても感動しました!
    いきなり申し訳ないのですが、気になることが、あります。
    ADHDが受験対策をするにはどうしたら良いですか?
    どのような勉強方法をすれば集中力が長持ちしますか?
    長文すみません😣💦⤵

    • 名前:kazuyuki 投稿日:2016/07/03(日) 22:18:56 ID:20b15eb66

      すずきはるか様
      ADHDの受験勉強はいかに集中を持続させるかなど、苦労が多いですね。直接メールで返答させていただきました。参考になれば幸いです。念のためこちらにも回答を書きますね。

      ADHDの受験対策について知りたいとのことですね。
      詳細については、対面でのカウンセリングか電話でのカウンセリングでお答えしますが、
      簡単に方向性だけでもまとめてみます。

      ADHDは集中に課題があります。
      自分が集中しやすい状況はどんなときでしょうか?
      やりやすい場所で勉強するを徹底する。

      やりやすい勉強法は何でしょうか?
      つまらない感じがすると継続が難しくなります。
      例えば大手の予備校の先生は楽しく分かりやすい授業をしてくれます。
      夏期講座だけでもそのような面白い授業を受けるのも良いでしょう。

      一番大事なのが、何のために大学に行きたいのか?
      そこに強いモチベーションがあることで、やる気になって勉強を継続しやすくなるでしょう。

      また集中に役立つサプリメントもあります。この辺りの詳細はカウンセリングでお伝えしています。

      ADHDの受験勉強は、大変なことも多いかと思いますが、以上のことを意識して
      効果的に進めて下さいね。
      応援してます。


      カウンセリングルームすのわ

  2. 名前:大城 投稿日:2016/12/18(日) 19:53:08 ID:e8f409bd3

    初めまして。
    自分の子供について質問させてください。
    現在二年生の男の子なのですが、小さな頃から自分のしたいと思う事を我慢できずにやってしまい怒られるということが多く、いろいろなところで相談をしても個性だからと言われ対応策が思いつかず困っています。
    多動はみられないのですが、忘れ物も多くADDなのでは?と疑う毎日です。
    例えば、勝手に食べてはいけないとわかっているお菓子を食べて、お菓子のゴミをソファーの裏に隠し、見つかり怒られる。ということを何度も繰り返す。なぜか聞くと、食べたかった。と答えるので、ゴミはゴミ箱に捨てたら?と行っておくのですが、また同じことを繰り返すのです。
    触ってはダメと言った瞬間触ります。
    本人は、触りたかった。と言います。
    今日も人にあげるプレゼントだとわかっていて、中身が自分の興味があるものだとわかると勝手に出してあげてしまったりしました。
    こちらが怒ってしまい、子供が感情的になった場合ずっと言い訳をし続けかなりの長い時間を費やします。
    このような衝動性をどう対処していいかわかりません。
    何度言い聞かせても繰り返すのです。
    こちらの心の方が折れてしまいます。
    対処の方法ってあるのでしょうか?

    • 名前:kazuyuki 投稿日:2017/02/18(土) 16:08:52 ID:582df0b13

      大城様
      コメントありがとうございます。返信が遅くなってしまい失礼いたしました。
      ADDタイプの子どもで、衝動性コントロールの問題として、お菓子の盗み食いや、
      エスカレートすると親の財布からお金を取ってしまうことは、よくお聞きします。
      本人は叱られると、ごまかすかウソをついてしまって、更に怒られるというパターンが
      多いように思います。
      カウンセリングでは、本人の勝手に食べたい気持ちに名前を付けます。例えば「オッカシー」や
      「タベルンルン」など、本人にも考えてもらい、絵に描いてもらいます。
      そして、どうやったら「オッカシー」に打ち勝てるかを作戦会議をしていきます。
      そうすることで、悪いのは「オッカシー」で、それを一緒にやっつけようと共同戦線を張ることが
      できるという利点があります。
      もちろんそれだけで直ぐに解決するわけではないですが、扱いやすくなります。
      可能であれば、その作業を一緒にやってくれるカウンセラーが側にいると良いのですが、
      スクールカウンセラーや教育相談室などがお近くにあれば、利用してみるのも一手だと思います。

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