Q&A ADHDの夫の行動が理解できません。

こんにちは!

カウンセリングルームすのわ・臨床心理士の南です。

この記事ではADHD交流会でたびたび聞かれる質問に対して答えるQ&A形式で答える内容になっています。

☆この記事を読んで欲しい人はこんな人

家族にADHDの診断を受けた人がいる方

家族との関係の問題があり、背景にADHDがあるのではと思っている人

Q“夫の行動が理解できません。

携帯電話や財布を置き忘れることは日常的。話していても上の空で空返事のことも多く、事務仕事が苦手で仕事でもケアレスを連発しているよう。いつも思いつきの行動で、ついて行くのが大変です。片づけについても、何度もお願いしているのですが、改善してくれません。最近こちらも疲れてきて、喧嘩することも多くあります。最近ADHDのチェックリストをやったところ、ほとんど当てはまりました。こんな夫との関係をどうしていけばいいのでしょうか?”

これは架空のAさんの悩みですが、実際に夫がADHD傾向をもっている場合、その行動が理解できずに、苦労している妻は多くいるようです。Aさんの悩みに対してカウンセラーの南の答えを伝えたいと思います。

一番大切なこと=問題行動をADHDという脳の特性として捉えること

ご主人がADHD傾向があることで、関係が上手くいかずに苦労されているようですね。

ADHDのパートナーをもった方の困りごとには、以下のようなことがあるのではないでしょうか?

  • なんど言っても片づけをしてくれない。
  • 財布、定期など度々ものをなくしてしまう。
  • 衝動的に発する言葉で、傷つけられる。
  • 思いつきで買い物をするので、無駄遣いが多い
  • 仕事でもミスが多くて、いつもストレスを抱えている
  • お風呂を嫌がったり、身だしなみに無頓着で困る。

一番大切なことは、その問題がADHDという脳の特性からきていることを知ることです脳の特性からきているので、単にきつく言ったり、言葉だけの注意では改善しづらく、言っている方もストレスがたまってしまい、悪循環が起こりやすくなります。

こちらの記事を読んでいただくのもよいでしょう。

ADHDの正しい対策は?何もしないと別の問題に繋がります!

ADHDの多動性・衝動性とは?欠点を強みに変えるコツ教えます!

本の紹介→『あなたのツレはADHDなんです』

効果的な関わり方を身につけましょう

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ADHDの夫の理解できない行動に対して、頭ごなしに感情的に起こってしまうと、かえって反抗的になったり、委縮させてしまい改善にはつながりません。

一緒に改善策を考えることをしましょう。例えば、物をなくしやすいとしたら、鍵や定期入れを置いておく箱を作って、そこに帰ったらポケットの物を入れる習慣を作れるようにサポートしましょう。また、片づけについては、ハードルを少し下げて、自分の物をまとめて入れておく場所を決めて、そこにとりあえず集めるようにして、週末に分別してもらうなどの仕組みを作るのも良いでしょう。

大切なのは、苦手を前提としつつも問題が減る仕組みを一緒に考えることです。

我慢しすぎない

夫の問題行動が、ADHDという脳の特性からくるものとわかったとしても、全ての行動が許されるわけではありません。

自分が嫌な気分になった時に、それを我慢してしまうと、いつか爆発してしまいます。

上手く伝えるには、I(アイ)メッセージという伝え方が役立ちます。

例えば夫が、思いつきで発言した言葉で自分が傷ついた場面を考えてみましょう。

その時に感情に任せて「あなたのそんな言い方、普通じゃないよ。ちょっと常識ないんじゃない」と責めるような言い方をした場合、どうなるでしょうか?

おそらく夫は、感情に対して感情で返して言い合いになってしまう可能性があります。

I(アイ)メッセージの伝え方では、相手への評価ではなく、私がどう感じたかを伝えます。

I(アイ)メッセージでは「あなたの言葉を聞いて、私はとてもショックを受けて傷ついたわ。もっと別の伝え方をして欲しいの」と伝えることができます。

自分の気持ちと、どうして欲しいかを伝えるので、相手が感情的に反応する可能性は低くなります。

ADHDの夫の良さにも目を向けましょう

今は悪循環が続いて、夫の悪いところばかり見えているかも知れません。パートナーとして付き合うようになったわけですので、良いところもあったはずです。その良いところを思い出しましょう。例えば以下のようなところに魅かれた時期があったのではないでしょうか?

  • 自由で豊かな発想力
  • 細かいところを気にしない大らかさ
  • 思いついたらすぐ行動する、行動力
  • 少年のような遊び心

それでも上手くいかないときは専門家に相談しましょう

これまでのアドバイスを実践しても、悪循環が解消されないときは、自分だけの力での解決は難しいかもしれません。病院やカウンセラーなど専門家に相談に行くことをお勧めします。本人にも困り感がある場合は本人が相談に行くのがベストだと思います。

その際にはこちらの記事が参考になります。

本の紹介『あなたのツレはADHDなんです』

ADHDかなと思ったら、病院に行こう!パート1 診断を受けるメリット・デメリット

ADHDかなと思ったら、病院に行こう!パート2 病院の見つけ方・病院では何をする?

もし本人は、困っていないので、行く気はないということでしたら、妻のあなたが相談に行くことで、解決の糸口が見えることもあると思います。

あまり自分だけで思いつめずに、専門家の力を借りて下さい。あなたは一人ではありません。専門家はいつでもあなたが良い方向へ進むために待っています。勇気を出して一歩を出して下さい。きっとその先には、希望の光が見えてくると思いますよ。

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