トラウマに悩むあなたへ:フラッシュ・テクニックの魅力 ~痛みを最小限にトラウマを克服する方法~

こんにちは!

足立区北千住カウンセリングルームすのわの臨床心理士・公認心理師の南です。

トラウマを乗り越えたいけれど、もうそのことは思い出したくない。

そのことに触れるのが怖いので治療を受ける勇気が持てない。

過去の苦しい記憶について、このような悩みをもっている人はいませんか?

トラウマの症状の一つとして、そのことを避けたいという思いが出てしまうので、回避したいと考えてしまうのは、ある意味当然です。

ただ、トラウマ治療などの乗り越える方法は、そこに正面から向き合っていくものが多く、ハードルが高く感じてしまいます。

この記事では、治療の中での痛みを最小限にした、最新の心理療法である「フラッシュ・テクニック」について解説します。

フラッシュ・テクニックとは?

フラッシュ・テクニック(FT)は、トラウマや苦しい記憶に関連する症状を和らげるための新しい治療法です。従来のトラウマ治療とは異なり、FTはクライアントがトラウマ記憶に直接向き合う必要がなく、苦痛を感じずにトラウマを処理できる点が特徴です。EMDR(眼球運動による脱感作と再処理)の入り口として、補助的に使われることがあります。

私は短時間(10分)で実施できるので、EMDRやBSPを実施する時間が足りない時や、トラウマ記憶に触れる気力や元気がない際に、FTを行うことが多いです。

フラッシュ・テクニックの概要

フラッシュ・テクニックは元々、EMDRの準備段階の補助としてEMDRのトレーナーであるマンスフィールド博士によって開発されました。FTもEMDRと同じく、交互に身体をタッピングする方法を用いて、脳に残るトラウマ記憶を解消することを目指します。

FTはトラウマ療法を、より迅速で受け入れやすいものにするためのサポート的な役割を果たします

私が気に入っている点としても、短時間で他の心理療法と統合的に使えるので、心理療法で行き詰まりが出たときに使ったり、セッションの残り時間が少ないときなどに使うことで、トラウマ治療が早く安全に進みます。

フラッシュ・テクニックの実施条件

FTは適切な訓練を受け、免許を持ったセラピストによってのみ提供されるべきです。訓練を受けたセラピストは、軽度のトラウマに対してFTを用いることが推奨されています。

FTのプロセスは簡単なため、誰でも実施できるように見えるのですが、トラウマ治療について知識が少ない人は悪化させてしまうリスクがあるため、専門家と一緒に行いましょう。

フラッシュ・テクニックの対象者

FTは子どもから大人まで、あらゆる年齢層に効果があります。不安、強迫性障害、軽度および重度の解離、うつ病など、さまざまな症状に対応できます。

フラッシュ・テクニックの実際

FTのトレーニングを受けたセラピストは、まずクライアントにトラウマの記憶を確認してもらいます。FTの基本原則は、身体や脳に原因のない症状の多くは未解決のトラウマ記憶に原因があるという考えです。クライアントが特定の記憶に関連しない症状を訴える場合、セラピストはその症状を引き起こしている記憶を特定する手助けをします。

「標的」となる記憶が特定されたら、セラピストはクライアントに対して、楽しい記憶やイメージ、活動、音楽、視覚化などに注意を向けるよう促します。クライアントはこの肯定的な気晴らしに注意を向け続け、その注意を時々まばたきをするように指示されます。この方法により、クライアントは元のつらい記憶に意識を向けることなく、その記憶を処理することができます。

自分が一番FTが素晴らしい思う点は、セッションがクライアントもセラピストも楽しい気分で満たされるという点です。トラウマ治療をしているにも関わらず、お互いに思わず笑顔やうれしい表情になってしまうことも少なくありません。

これまでのカウンセリングでは、肯定的な気晴らしとして、寒い日に食べる肉まん、大好きなアーティストのコンサート、好きな曲、子どもの笑顔、推しのyoutuber、山登り、ペットのこと、などなど、様々な肯定的な記憶が出てきました。

フラッシュ・テクニックは、トラウマに苦しむ人々にとって新しい希望となる治療法です。専門のセラピストのもとで、安全かつ効果的に実施されることが期待されています。

記事作成にあたりフラッシュ・テクニックのトレーニングを提供している、The Flash Techniqueのサイトを参考にしました。

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