ADHDのパートナーをサポートしよう!パート2
こんにちは!
カウンセリングルームすのわ・臨床心理士の南です。
この記事は、ADHDの人をパートナーに持つ方に向けて書かれています。
この記事を読んで欲しい人はこんな人
・ADHDのパートナーについイライラしてしまっている人
・ADHDのパートナーにうんざりしてしまっている人
・ADHDのパートナーとの関係を少しでも良くしたい人
前回の「ADHDのパートナーをサポートしよう!パート1」の記事では、「片づけ」の“仕組み作り”についてコツをお伝えしました。
今回のテーマは『やるコト』の“仕組み作り”です。
『お皿洗い』『ゴミだし』などの家事の役割分担や約束事を決めても、『うっかり忘れちゃった』と守ってもらえず、『もう、どうしてやってくれないの!』とイライラすることはありませんか?
または、仕事やプライベートで、いつも締め切り直前になって、パートナーから『明日締め切りなのに、全然できていないどうしよう』と泣き付かれてしまい、『どうしてもっと早く言ってくれないの?』と思ったことはありませんか?
この記事では、ADHDのパートナーが日々のやるべきことを、忘れないで行うために、あなたにできるサポート方法をお伝えします。
やるコトを忘れてしまうのはADHDの特性です
どうして、ADHDの人は日常の『やるコト』がついつい忘れられてしまうのでしょう?
そこに隠れているADHDの特性は、
- 『目の前の物にだけ注意が向いてしまう(例:スマホが目に入ると、汚れたお皿のことが頭から抜けてしまう)』
- 『他のコトで頭がいっぱいになり、他に注意が向けにくい(例:電車に間に合うかな、と心配になると目の前のゴミが目に入らない)』
といったことが考えられます。
忘れてしまうのは特性であって、悪意はないのだ、と理解しましょう!
行動を“見える化”する ~やるコトの『仕組み』~
そうしたADHDの特性を理解した『仕組み作り』は、“見える化”なのです。
『食べる前には、いただきます』『食べたら、お皿を洗う』を『やるコト』とした場合、ADHDのパートナーがいつもそのやることを忘れてしまい、あなたはイライラして小言を繰り返してしまう、そんなパターンはありませんか?
そのような場合は下のようなメモを、目につくところに貼りましょう。
単純なことですが、“目で見える”ことで、パートナーの頭の中に、再び『やるコト』がリマインド(思い出し)されるのです!ADHDの方は、視覚情報つまり目で見た情報が頭に入ってきやすいというという特性があります。
反対に、目で見えなければ、『やるコト』が忘れられたままになってしまいます。その結果が、『どうしてやってくれないの!』というあなたのイライラにつながってしまいます。
『やるコト』を“お互いに目で見えるコト”にすれば、あなたが毎回『ほら、挨拶して、お皿洗って』と言わずにすみ、パートナーも『ちゃんと約束を守れた!』という喜びになります。
先延ばしはADHDの傾向です
あなたは、『明日までに、レポートを提出するのを忘れてた!』『ずっと先伸ばしていて、今夜は徹夜でやらなきゃ!』と慌てるADHDのパートナーを前に、『ギリギリになって騒がないでよ!』とイライラすること、ありませんか?
ADHDの人にとって、『○日までに終わらせるためには、今ここまでしなきゃ』と見通しをもつことや、『一気にやらずに、3回くらいに分けてやろう』と課題を細くすること(ベビーステップに分ける)は苦手なもの。そのために、“やるべきコト”も『また、手が空いたら、一気に取り組もう』とついつい先延ばされてしまうのです。ただサボっているわけではないことを理解しましょう!
一緒に先延ばしを乗り越える~『やるコト』を“見える化”する~
そして、ここでも、“行動の見える化”が役に立つ『仕組み作り』なのです。
まずは、『いま、パートナーが抱えている“やるべきコト”』を共有する時間をもちましょう。週に1回でも、定期的に“打合せ”をします。ここで、パートナーには『今、しなきゃいけないコト』を紙に書いてもらいます。これだけでも、パートナーにとっては、頭の中の整理ができるのです。
次に、『何日の何時に取り組む予定なのか』『何日までに、どこまで終わらせるか』を一緒に確認します。ここが、パートナーの腕の見せどころです。ここ数日間の相手のスケジュールを聞き、空いている時間を見つけて、『何日の何時に取り組むか』を、しっかりと紙に“見える化”します。
そして、あなたから『どう、進められそう?』とパートナーに声かけをして、スケジュールをチェックしていきましょう。予定通りに実行していたら、『すごい、すごい!』と喜び、できていなくても『明日の8時ころにやろう』と提案をしながら励まします。
前述した『片付け』のサポートのように、仕組みをつくるだけでなく、『声かけをすること』が、長続きのコツです。
日常の小さな『やるコト』と、仕事などの大きな『やるコト』を忘れないための仕組み作りについてヒントを提示しました。
どちらも、大切なのは、行動を“見える化”し、“お互いが参加できるコト”として共有することです。あなたから積極的に、パートナーの『やるコト』に参加しましょう!
そうすれば、パートナーにとっても、『あぁ、やらなきゃ‥・!』という“心の重さ”が軽くなりますし、あなたにとっても、『もう、ギリギリになって騒がないでよ!』という“イライラ“が減りますよ。
この記事のまとめ
- 見える化することで、忘れない仕組み作りができる
- やるべきことを共有して、『何時まで、どこまで終わらせるか』一緒に確認する
- 仕組みを作るだけでなく、『声かけをすること』が、長続きのコツ
ADHD傾向(病院に行こうとしないので診断できない)パートナーについて、視覚化や声かけでサポートする点、その通りと思います。多分仕事なら私もこれを実行するでしょう。でも、配偶者となるとかなりイライラします。こちらの体調の悪い時や忙しい時、余裕がない時にこんなサポートが出来ればかなりできた人。しかもこちらの事を手伝ってもらうことは中々期待できない。いつも神経を飛ばしていて正直キツイです。ゆとりがあれば良いのでしょうが、夫の為に家庭内のかなりの用事を請け負っていて忙しいです。
夫は重度ではないと思いますが、1番困ることは論理的にコミュニケーションが取れないところ。衝動で考え話し、人の話を最後まで聞かない。しかも憶測を膨らますタイプなのでまともにコミュニケーションが取れずイライラしてしまいます。
わたし自身ストレスで精神的に参らないためにどうしたら良いのかと思います。
良い提案をしてくださっていてもできない自分がいます…。