南のクライアント体験記 その2
こんにちは !
カウンセリングルームすのわ・臨床心理士の南です。
今回は、前回に引き続き、『南自身の病院受診体験』についてお伝えします。
前回では、受診前日までの様子をお伝えしました。
さて、受診当日、どんなことが起きたのでしょうか??
【この記事を読んで欲しい人はこんな人】
・病院受診を迷っているADHDの当事者の方・ご家族の方
・一度病院受診をしたものの、納得・安心できずにいるADHD当事者の方・ご家族の方
いざ、病院へ
ついに、受診当日となりました。
午前10時半には受付することになっているので、普段の生活リズムより早まりましたが、意外にも『ワクワク』した気分であったため、テキパキと準備ができている自分がいました。
『どんなことするのかな』というドキドキは、自分にとって行動の原動力になるのだということを再確認したときです。ADHDのイイところですね!
電車に揺られること1時間半、そして30分ほど歩き(本当は15分で着くのですが、道に迷ってしまいました(^_^;))、病院にたどり着きました。
待合室は、座り心地の良いソファと簡単なお茶セット(独自の青汁も常備)があり、過ごしやすい雰囲気をつくっている努力が感じられました。
診察までの1時間、待合室でアンケートに記入をしました。このアンケートには、第三者が記入する欄もあり、自分が書いた後に、妻も記入をしました。なかなかのボリュームなので、全て記入するのはなかなか大変でした。
いざ、診察へ
アンケートを提出したあと、ついに医師との診察です。
診察室では、ゆったりとしたイスに座り、医師とも机をはさんだ丁度良い距離感で、医師の穏やかな口調もあって、とてもリラックスした心持でいられました。
医師からは、『どういう理由できましたか?』という質問からはじまり、自分は、準備してきた『自分史』を渡し、自分が心理士であることも伝えた上で、症状をおおまかに伝えました。
そして、治療の希望について聞かれた時は、『できたら服薬も試してみたい。脳波検査も興味がある』と話しました。それに対して、医師からは、パンフレットなどを見せてもらいながら、提供している治療や検査のメニューを説明してもらいました。
自分が一通り話した後、妻も呼ばれて入室しました。
医師から妻には、『ご主人をみていて、どのようにお困りですか』との質問がありました。妻は、日ごろの生活で感じている『夫の困った行動』を伝えてくれ、これに対して医師も共感・フォロー(自分に対して)をしてくれていました。
診察後、身体検査(身長体重の測定、血液検査)をし、次回の予約をして終了です。
初診後のホンネ
『あー、疲れた!』というのが第一声ですが、『あぁ、よかったな』という気持ちもあります。
それは、事前に『自分史』を作成して準備したこともあり、『伝えたいことは伝えられた 』という満足感があったからだと思います。そして何より、医師に分かってもらえた、という安心の感覚があったからだと思います。
改めて、当事者側の話を聞くときには、当事者の抱えている『わかってもらえなかったらどうしよう』という不安があることを十分に認識することの大切さを、身をもって感じました。
治療方針についても、医師から一方的にすすめられることもなく、また『診断・服薬ありき』でもなく、患者側の希望や目標に合わせてくれる姿勢を示してくれたことも、安心感につながったと思います。
それから、前日に突然きまった『妻の同行』。
実は、直前までは『一緒に来てもらうのは、なんか恥ずかしい』という思いもあったのですが、結果的にはよかったと思います。
それは、診察の場面で、家族の目線から自分のことを医師に伝えてもらえたこと、『病院に行くまでの不安』を少しでもシェアしてもらえたからです。
妻からも、『一緒にいったことで、夫の通院や治療に対して自分もコミットするのだ、という前向きな意識になったから、行けて良かった』という感想を聞いています。
当事者ご本人の意向にもよりますが、受診後の協力関係を築いていくためには、できればご家族(パートナー)が受診同行できたらベターだと思っています。
これで、初診のレポートは終了です。
次回は、2回目の通院の様子をお伝えします!