EMDR(トラウマ療法)を使った新たな先延ばしへのアプローチ
こんにちは!
カウンセリングルームすのわ・臨床心理士の南です。
ADHDと切っても切り離せない問題が先延ばしです。先延ばしの問題で困ったことがないADHDの人はいないのではと思うくらい、ADHDの人が皆さん共通で困っているのが先延ばしです。
☆この記事を読んで欲しいのはこんな人
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特に先延ばしの問題について色々と試行錯誤しても改善しないことで困っているあなたに是非読んでいただきたい記事になっています。先延ばしを解消するための新たな視点が見つかると思います。
先延ばしへの全く新しいアプローチ
今日紹介するのは先延ばしへの新たなアプローチです。
それはEMDRを先延ばしへの対策に使った方法です。まずはEMDRが何か分からない人も多いかと思いますので、当サイトのQ&Aから引用します。
【Q】EMDR(イーエムディーアール)とはなんですか?
【A】EMDR(Eye Movement Desensitization and Reprocessing;眼球運動による脱感作および再処理法)とは、PTSDを始めとするパニック障害、恐怖症、解離性障害などに効果があると言われている心理療法です。EMDRでは、相談者様はトラウマとなっているつらい記憶を心に思い浮かべながら、セラピストの指の動きを追い、目を左右交互に動かします。
眼球運動が記憶の消化を促し、その結果、トラウマ記憶の鮮明さがなくなる、辛い体の反応がなくなる、記憶の捉え方が中立的もしくはポジティブなものに改善するなどの変化がおこります。
このEMDRのプロセスをとってもシンプルに説明すると、両側性刺激(左右に眼を動かすこと、左右の耳から交互に音を聞くこと、左右の体の一部をタッピングする刺激)と呼ばれるものを、トラウマを思い出しながらカウンセラーがクライアントに与えることで、トラウマが解消されていくというものです。
左右の目の動きをよく使いますが、自分も初めにこの治療法に出会ったときに、本当にこんなことで効果があるの?と信じられなかったことを覚えています。
実際には、効果的であるという研究も多くありますし、自分がこれまで学んだ治療法の中でも、現在一番よく使う方法です。
ではEMDRを先延ばしに使うとはどういうことなのでしょうか?
先延ばしていることをやらなくてはいけない時のことをイメージしてみましょう。
例えば、仕事で出さなくてはいけないレポートの締め切りが迫っています。そのレポートのことを考えるとどんな気持ちがしますか?おそらく、胸のあたりがぞわぞわして、なんだか嫌な感じで満たされてきて、そこから目をそむけて別のもっと楽なことをやりたくなるのではないでしょうか?
EMDRを使った方法では、この嫌な感じに注目して、この嫌な感じに両側性刺激を与えていきます。
具体的には、その先延ばしてしまいたいレポートを前にしての避けたい感じを感じつつ目を左右に動かしてもらいます。これを繰り返していくと、不思議とだんだん不快感が減少していきます。
※EMDRは専門的な知識と経験が必要とされるセラピーです。特にトラウマをお持ちの方や、解離障害をお持ちの方は、悪影響が出る場合もありますので、専門家の指導の下で行ってください。
効果としては、先延ばしたい気持ちが減る!
やるべきことを先延ばして、他のことをしたいという衝動が減ります。先延ばしたい衝動が減少するために、苦手意識も減って、より自然にその行動を取りやすくなります。
その結果先延ばしの解決につながります。その過程で、先延ばしを強めてしまっていた先延ばしに関する嫌な記憶が楽になっていくことも考えられます。
実際にこのEMDRを使ってのセラピーをやっていると、様々な先延ばしにまつわる嫌な記憶が出てくることが多くあります。そのような記憶をEMDRでトラウマ処理することで、課題に対する過剰な苦手意識を減らすことができます。
問題点は先延ばしのテクニックは別に学ぶ必要はある。
課題としては、先延ばし衝動を減らすことを目的としているので、計画性や行動の具体的なやり方を学ぶわけではないので、そのあたりは別で学ぶ必要があります。南が提供するカウンセリングでは、認知行動療法が計画の立て方や予定の管理法などをターゲットにするのでお勧めです。
EMDRを使った新たな先延ばしへのアプローチに興味を持った方へ
今回感想を書いて頂くことを条件に、先延ばしへのEMDR治療のモニターを募集します。興味ある方はこちらをご覧下さい。
モニター募集:先延ばしへのEMDR療法
この記事のまとめ
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