治療者向け:フラッシュ・テクニックの魅力 ~痛みを最小限にトラウマを改善する方法~
こんにちは!
足立区北千住カウンセリングルームすのわの臨床心理士・公認心理師の南です。
前回の記事
(トラウマに悩むあなたへ:フラッシュ・テクニックの魅力 ~痛みを最小限にトラウマを克服する方法~)
で一般の人向けにフラッシュ・テクニックについて書きましたが、今回は治療者視点でフラッシュ・テクニックの魅力についてまとめてみました。
【フラッシュ・テクニックの魅力】
トラウマ治療に取り組む中で、クライアント(以下cl)がトラウマに直面することを避けたがるのは当然の反応です。しかし、これが治療の進展を妨げることも少なくありません。そこで、clに無理な負担をかけずに治療を進めるための革新的な手法として、「フラッシュ・テクニック」が注目されています。
【フラッシュ・テクニックの基本理念と活用場面】
フラッシュ・テクニックは2017年にEDMRのトレーナーであるフィリップ・マンフィールド博士によって開発された新しいトラウマ治療法です。フラッシュ・テクニックは、もともとEMDRの準備段階のために開発されたものですが、エビデンスに基づいており、EMDR以外でもトラウマの訓練を受けた臨床家が使うことができます。
clがトラウマ記憶に直接向き合うことなく、その影響を和らげることができる方法です。この技法は、EMDRの補助的手段として開発され、特にセッションの時間が限られている場合や、clがトラウマ記憶に触れる準備ができていない時に非常に有効です。
【フラッシュ・テクニックの実施方法とクライアントへのメリット】
フラッシュ・テクニックはclのトラウマ記憶にフォーカスしないという点で、従来のトラウマ治療とは一線を画します。clは、肯定的な記憶やイメージに意識を集中することで、トラウマに関連する苦痛を感じることなく、治療を進めることが可能です。セラピストとしても、clが積極的に治療に参加しやすい環境を提供できるため、セッション全体がより和やかで前向きな雰囲気に包まれることが多いです。
フラッシュ・テクニックを使用することで、clのトラウマ治療が一層効果的で安全なものになるだけでなく、セラピストとしてもやりがいを感じることができるでしょう。
フラッシュ・テクニックはセラピーの新たなツールとして、clとの信頼関係を築きながら、より安全にトラウマ治療を進める一助となるでしょう。
記事作成にあたりフラッシュ・テクニックのトレーニングを提供している、The Flash Techniqueのサイトを参考にしました。