ADHD当事者のパートナー・家族の本音 パート2

こんにちは 

カウンセリングルームすのわ・臨床心理士の南です。

今回の記事では、前回の記事に引き続きADHDの当事者のパートナーが抱えがちな本音と、ADHD当事者との関係を良く保つためのコツをお伝えします。

この記事を読んで欲しい人はこんな人

・パートナーや家族との関係を良くしたいADHDの当事者の方

・ADHD当事者の方とより良い関係を築けるようなりたいパートナー・家族の方

特にADHD当事者の方との関わりに苦労してしまっているパートナーの方に読んでもらいたい内容になっています。

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パートナーの本音:何で自分ばっかり?これって不平等!

相手が少しでも生活がしやすく、ミスが少なくなるようにアレコレと考えて工夫をしている。相手が困っていれば、一緒に考えたり、励ましたり。時には、自分のしたいことや気持ちを抑えて、相手に合わせることも。

 そんな日々のなかで、あるひと時、あなたの中にムクムクと湧き上がってくる『なんで自分ばっかり?不平等だ!』という気持ち。この気持ちと、『サポートしてあげたい』という気持ちが同時にあなたのなかに存在することで、とても苦しい『葛藤状態』になることも、実はよくあることなのです。

相手に求める見返りが、不満につながる

『ギブ&テイク』『win-win(ウィンウィン)』『もちつ、もたれつ』『支え合い』‥・。色々な言い方はありますが、結局は、誰でも『自分が相手にしたことの見返り』を求めてしまうからでしょう。

実際に、ADHD家族会のなかでも『感謝してもらってる感じがしない』『ありがとう、がない』という声をお聞きします。『相手からの見返りを求める』それ自体は悪いことではなく、当然のことですが、『自分がこれだけやっているのだから、その分の見返りがほしい』という思いが満たされないと、だんだんと不満がたまり、『自分ばかりが損をしているよう』という気持ちに発展してしまうのです。

ここからは、不満がたまりがちなパートナーのあなたが、ADHD当事者との関係を良く保つためのコツをお伝えしていきます。

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「自分のダメなところ」をあえて探してみる

実はあなたの方がイライラしやすかったり、落ち込みやすかったりする一面もあるかもしれません。ふと振り返れば、パートナーが自分のグチを聞いてくれたり、気分転換に外に連れ出してくれたり。自分がサポートしてもらっていることも必ずあるはずです(量を比較したら同じではないとしても)。

そして『あ、自分だって、相手にしてもらってる、お互い様だ』と一瞬でも思えたら、あなたの不満も少し減りますね。

「自分のためにしてる」という側面に意識を向ける

誰でも陥りやすいワナですが、誰かを助けたり支えたりすることは『100%相手のため』と思いがちです。しかしこの思いについては、もうちょっと見つめてみる必要があります。『100%相手のため』と思って行動することが、実は『自分のため』になる面もあるからです。誰にとっても、相手の役に立つことは『自分が存在する意味を感じられる、寂しさが満たされる』という側面をもちます。『自分のためでもあるんだ』、この自覚をもつことで、『自分ばかりが損をしている』という不満を、ちょっと考え直せます。

グループに参加する

同じ立場で、同じ気持ちを抱いている人たちと話をすることは、いくつかの意味があります。ひとつは、『こういう気持ちになるのは自分だけじゃないんだ』という実感を得られること。もうひとつは、自分だけでは思いつかなかった考え方や対策を学べることです。

誰にも話さず『自分が自分に相談する』状態が続くと、とても息詰まり苦しくなってしまいます。自分の中に新しい風を通すようなイメージで、少し勇気はいりまずが、グループに参加することを提案します。

カウンセリングルームすのわでも、年に何回かパートナー・家族の会を開催しています。

まとめ ADHD当事者のパートナーの“本音”パート2

パートナーの本音:『自分ばかりが相手をサポート。これって不平等?』

①自分のダメなところ、あえて探してみる

②『自分のため』という側面に意識を向ける

③グループに参加してみる

誰かを支えるためには、自分自身が支えられることが必要です。ご自身だけでは、にっちもさっちもいかなくなったとき、思いつめてしまう前に、ぜひ『カウンセリングルームすのわ』にご相談ください。

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『ADHD当事者のパートナー・家族の本音 パート2』へのコメント

  1. 名前:hspapa 投稿日:2017/07/03(月) 15:56:40 ID:96f9b6781

    突然のコメント失礼致します
    サイト内ADHD対策に関して拝見させて頂きました
    現在、妻子持ちでパートナーとの関係性が悪循環にハマってしまっています
    ADHDの傾向が強いので改善や対策を今、本気で考える努力をしています
    私は今年30歳で過去に過ちや失敗を繰り返し妻の信用を裏切り続けてきました
    10年以上お互いにADHDの傾向を認識し(楽観的で怠慢な私の意識のほうが低い)指摘され続けてきましたが妻に限界がきてしまいました
    完璧主義な妻の理想像は解っているものの対策への意識が低いのでついていけてないのが現状です
    脳の特性だけのせいではなく私自身の行いが頼り甘え改善傾向にない事が不満なのは重々承知しております
    正直、私も改善したい気持ちは強いものの困難だと感じております
    漠然とした大きな不安と自己否定、自信喪失しています
    相手を傷付けてしまうのが怖いのと全て受け入れて貰えないのでお互いに苦しい状況です
    生き辛いのが本音ですが家族を幸せにしたいのも本音です
    ADHDを理解して自分に合った対策をたてたいと思います
    こちらのサイトにたどり着き前向きに改善出来そうな気がしたのと少し救われましたありがとうございました

    • 名前:kazuyuki 投稿日:2017/08/23(水) 11:56:56 ID:659d48ba1

      hspapa様

      コメントありがとうございます。お返事が大変遅くなり、失礼いたしました。

      パートナーとお子様がいらっしゃり、ご家族の中での関係性に悩み、お辛い状況なのですね。
      10年以上という長い歴史の中で、ご夫婦で試行錯誤されてきたこと、その姿勢に頭がさがります。
      お互いに、お疲れさま、という思いですね。

      『生きづらいのが本音ですが、家族を幸せにしたいのも本音です』という率直なお気持ちに、こちらも心を動かされました。
      この思いが、パートナーにも少しでも伝わるといいですね。

      そして、『前向に改善できそうな気がした』とのこと、こちらとしても、とても嬉しいです。

      パートナーの方との問題は、どちらかが悪いというものではなく、『関係性のなかで起きている』というスタンスが重要だと感じています。
      カウンセリングルームすのわでは、当事者の交流会に加えて、定期的に、『ご家族・パートナーの会』も交流会として開催しています。
      また、個別のカウンセリングでも、パートナーの方のご相談に対応しております。

      hspapa様のご家族がより良くなりますよう、お祈りしています。

  2. 名前:凛音 投稿日:2017/12/08(金) 19:47:02 ID:c559478a9

    突然のメール失礼します。
    高2女子です。母にADHD(ADD)を疑われ、また自分でも当てはまる症状が多いと思い調べていたところこのサイトに出会いました。
    私は昔から忘れ物が多く、日常の出来事や人の言ったことを忘れがち、空想癖も多く計画を立てられないし、立てたとしても自分で決めた事なのに守る事が中々出来ません。国語や社会は学年1位を取るレベルなのに数学は頑張っても50点台そこそこで悪いとそれ以下な事も…。
    母は育てにくい私を育てている過程で躁鬱病に。母から注意されて反省はするものの、暫くすると同じ事を何回も繰り返してしまいます。そのせいで母を刺激してしまい怒らせることが頻繁にあります。
    私は母が大好きです。それなのに私は変われないまま、母を苦しめ続けるままで17年が過ぎてしまいました。
    そろそろ本格的に大学受験の為の勉強を始めなければならず、苦手な数学と他の教科との兼ね合いなどの勉強面の悩みと、母との関係での悩みが重なってとてもつらいです。

    こんな私でも変われるのでしょうか。何かアドバイスを頂けると嬉しいです。
    まとまっていない文章ですみません。

    • 名前:kazuyuki 投稿日:2017/12/12(火) 20:07:48 ID:d17e9a556

      凛音さま
      コメントありがとうございます。
      勉強のこと、お母様とのこと、真摯に悩んでおられ、とてもつらい状況を拝察いたしました。
      そのようななか、当サイトをご覧いただき、このようにコメントもくださり、その勇気とお力に頭が下がる思いです。

      さて、あくまで書かれた内容からですが、
      たしかに、ADHDの不注意傾向にあたまる点があるように思います。
      また、『得意と苦手の差がとても大きい』という点については、学習障害という可能性も考えられると思います。

      学校に、スクールカウンセラーさんはいらっしゃいますか?
      もしいらっしゃれば、ご自身としての対策や、お母様とのご関係について、ご相談されることをおススメします。

      医療機関への相談、ご自身での理解と工夫、ご家族のご理解によって、改善されていく伸びしろはありますよ。

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