【保護者の方へ】自分が好き!と言える子に育つコツ③
こんにちは!
カウンセリングルームすのわ・臨床心理士の南です。
前回は、お子さんの自己肯定感を高めるために、『まず、大人が子どもをリスペクトする』という方法を提案し、具体的には『お子さんが誕生した時の感覚を思い出してみる』ことをお伝えしました。
実際に試してみた方、どのような気持ちが生まれてきたでしょうか?
あたたかい気持ち、切ない気持ち、どんな感情も間違いではありません。
さて、『お子さんをリスペクトする』とは言っても、『嘘でごまかす』『食事中に立ち歩く』といった行動をすべて認めることではありません。
認められない行動は、『社会的に正しい行動、信頼される行動』に導いていくことが必要です。
では、どうしたらいいでしょうか。
例えば、『塾をサボったのに、嘘でごまかした』という場面。
やることはひとつ。
『事情を聞く』こと。
『何が起きたのか』『何を考えたのか』『どうしたかったのか』を丁寧に聞きます。
この時、大切なことが、
『人は皆、その立場で与えられたベストを尽くしている』という前提に立つことです。
この前提に立って、お子さんの目線で場面を理解しようとするとき、必ず見えてくるものがあります。
人の話をよくよく聴いてみると、確かにダメな行動なのだけれど、事情を考えればそうするしかなかった、ということが腑に落ちてくるものです。
そういう意味では、「ダメ」な行動などなく、その人と同じ条件に生まれて、同じ事情を抱えて生きてくれば、誰でも同じような言動をとっただろう、と思えるはず。これが、「なるほど」の瞬間です。 水島広子著『自己肯定感、持っていますか?』より
もしかしたら、『学校で、先生の手伝いをしていて塾の時間になってしまったけど、先生に言い出せなかった』、『正直にお母さんに話したら、お母さんが先生を怒っちゃうかもしれないから、塾に行ったと嘘をついた』など、お子さんなりの努力やつまずきが隠れているかもしれません。
そしてなにより、ここでの最大の収穫は、お子さんが『大人が、自分に寄り添って、事情を聞いてくれた』という安心感と温かさをもてることです。
この『安心感と温かさ』が、お子さんの自己肯定感を少しずつ形作っていきます。
今回のテーマは、『なるほど、と思えるまでお子さんの事情を聞く』です。
ご飯のとき、お風呂のとき、お布団の中で。
5分間でも十分です。
できる範囲でかまいませんので、試してみてください。
ここまでお読みいただいて、ありがとうございます。